ADHDの「先延ばし」はなぜ起こる??解消できるの??

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(2020年11月18日に更新しました。)
こんにちは、さくらです。

ADHDの困った症状のひとつに「先延ばし癖」があります。

やらなきゃと分かってはいても、なかなか手をつけることが出来なくて締切ギリギリになってしまったり、守れなかったり…。

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やりたくないことや苦手なことは特に先延ばししちゃう(汗) 

これは、ADHD傾向を持つ人は「やる気」「幸福感」などに関する神経伝達物質のドーパミンの分泌が定型発達者に比べて普段は少なく、モチベーションがなかなか上がらないことが関係してるようです。

ADHDの先延ばし癖はどうやって解決していったらいいのでしょうか?

今回の記事はADHDの先延ばし癖とその解消法について紹介していきます。

ドーパミンの働き

 

ADHD傾向を持っている人は、通常状態の時のドーパミン分泌が少ないことが指摘されています。

ドーパミンは「やる気ホルモン」などと呼ばれ、「意欲」や「幸福感」「快感」などをもたらしてくれる大事な物質です。

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なかなかやる気がでないのはドーパミンが少ないせいなんだ。

ADHDの人のドーパミンは普段の分泌は少ない一方で、何かしらの刺激があった時は過剰に分泌されるようです。

「固い蛇口」をイメージしてもらうと分かりやすいかと思います。

普通に蛇口をひねってもなかなか開かなくて水がちょろちょろしか流れないのに対し、力を込めて開けると今度はドバっと過剰に水が出てしまう状態と似ています。

その特性のため、ギャンブルやアルコール、薬物、スマホなどで簡単に得られる刺激に依存しやすくなる問題も。

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ちなみに私はスマホに依存してます。

一日中手放せません。

気軽に達成感を味わえる刺激にはやる気が出るのですが、なかなか結果がでない物事には取り組む気力が湧かず、後回し後回し…となってしまうのです。

例えば

  • 勉強や資格取得
  • 書類や手続き
  • 体調管理
  • 金銭管理
  • 健康的なダイエット
  • 毎日の家事

以上のような継続的な努力が必要なことを苦手にしているADHDの方は多いと思います。  

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では、先延ばし癖を解消する方法はあるのでしょうか。

作業興奮を味方につけよう

 

やりたくないことでも一度手をつけたら、なぜか最後までできちゃったなんて経験は誰しも持っているのではないでしょうか。 

これはドイツの心理学者であるクレペリン教授が発見した心理現象で、「作業興奮」と呼ばれています。

頭や手などを使って作業を始めていくとドーパミンが分泌され、やる気が出てくるという現象です。

つまり、行動することでやる気が引き出されるということ。

私もブログを書くのが乗り気でない時は、1分だけ書いてみるようにしています。

不思議と書き続けることができますね。

やりたくないこと、苦手なことはこの作業興奮を上手く利用していくことが大切なのです。

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何はともあれ手を付けろってことか。

はじめの一歩を頑張って踏み出してみましょう。

スモールステップでこまめに達成感を味わう

 

達成感は次のやる気に繋がります。

大きな目標はとても大きな達成感はもたらしてくれますが、自分を苦しめる壁にもなりえます。

特に普段のドーパミン分泌が少ないADHDにとってはうまく「報酬系」が働かず、目標が達成できなくて自分を責めてしまう結果に終わることも。

報酬系とは「他人から褒められる」「目標を達成する」などの「報酬」が「期待される」時にドーパミンの分泌が活性的になる脳のシステムのことです。

実際に手を付けていない目標でも、達成できそうだと感じることでドーパミンが分泌されやる気や快感を生み出してくれます。

ADHDは報酬系の働きが弱いため、大きな目標を立ててしまうとモチベーションが上がらず、ついつい先延ばししてしまうことが多いようです。

なので、大きな目標を立てるのではなく、目標を小さく分けて(スモールステップ)、小さな達成を積み重ねることが重要です。

実現可能な小さな目標を立てることで、やる気が目減りしないようにしていきましょう。

普段勉強する習慣がないと「勉強を3時間頑張る」というのは大きなハードルになってしまいます。

まずは自分が達成できそうな時間設定に変えて、達成できたという自信をちょっとずつ積み重ね、勉強への嫌なイメージを減らしていくのがオススメ。

ダイエットだったら「一年間で10キロ痩せる」というと難しく感じますが、「1ヵ月に0.8キロ痩せる」「1週間で0.2キロ痩せる」という短い期間で区切ると実現できそうな目標になります。

そして達成できた時はしっかり喜ぶようにしましょう。

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自分で自分を褒めて、次のやる気を育てていくんだね。

15分キッチンタイマー法でやってみる

 

スモールステップや作業興奮を活用しようとしても、重い腰を上げて行動するのは大変なことです。

そこでゲーム感覚で取り組める「15分キッチンタイマー法」を合わせてやってみましょう。

やり方は簡単。

  1. 15分で取り組む内容を決める
  2. キッチンタイマーで15分セットする。
  3. 集中して取り組む
  4. タイマーが鳴ったら終了、休憩を取る
  5. 1~4の繰り返し

人間の深い集中は15分程度が限界で、休憩をはさんで取り組む方が長時間取り組むことより成果が出やすいようです(パーキンソンの法則)。

ADHD傾向を持つ人は集中できない、または過集中となりやすいので、時間を区切ることで集中のコントロールがしやすくなります。

私はモチベーションを上げるために、Twitterで15分キッチンタイマー法で取り組んだことを呟いています。

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スマホのタイマーだとチラ見した時に集中が切れやすくなるのでキッチンタイマーがオススメ。

100均で売っているタイマーで十分だよ。

取り組む時間を午前にする

 

「イラスト図解 脳とココロのしくみ入門」で紹介されていた先延ばしを防ぐ方法が、「面倒なことは午前中に取り組む」ということ。

人間の脳は、今の自分の脳力で簡単に処理できるかできないかを瞬時に判断できるようになっているそうです。

なので、一般的には脳の調子がいいとされる午前中に取り組むと面倒くさい事でも着手しやすくなります。

脳の覚醒度が低い時に取り組まなくてはいけない時は、カフェインを取ったり、仮眠したり、軽く運動したりしてから取り組むのがオススメですよ。

 

必要に応じて薬物療法を受ける

 

ADHDは現時点で治ることのない疾患ですが、薬物療法を受けることで症状が緩和されるケースもよく見られます。

先延ばし癖も薬物療法を受けることで楽になることも。

薬物療法と先延ばしをストップさせる仕組みづくりをすることで、相乗効果が発揮され、成功体験を積み重ねていけるようになります。

↓ADHDの薬についての記事はこちら

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それでも手を付けるのが難しい時は

 

15分だけ頑張ると言っても、始めることができない場合もあるでしょう。

そんな時は「前向きに休む」ことが必要だと思います。

やらなきゃいけないのは分かっているけど、手を付けれない場合は自己嫌悪で休むことを責めてしまいがちです。

そうなると負のループで、やる気がより一層そがれてしまうなんてことも。

負のループに入る前に「私は積極的に休んでいる」と休むことを肯定しましょう。

休むことは悪いことではありません。

好きなことをして気力を補えたら、5分だけ1分だけとハードルを下げまくって手をつけてみてはいかがでしょうか。

まとめ

まとめ
  • 作業興奮を味方につける
  • 目標を小分けにして小さな達成を積み重ねる
  • キッチンタイマーを利用して取り組む時間を区切る
  • 面倒なことは午前中に取り組む
  • 必要に応じて薬物療法を受ける
  • それでも手が付けれない時は前向きに休む

今回はADHDの先延ばし癖と解消法についてまとめてみました。

取り組むためのハードルを下げて、「やりたくない」というマイナスの感情を減らしていきましょう。

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