「ADHDコンプレックスのための脳番地トレーニング」内容紹介&レビュー

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(2020年11月12日に更新しました。)

こんにちは、さくらです。

「発達障害がわかったきっかけ」の記事にも書きましたが、私に発達障害(ADHD、ASD)が発覚したのは39歳の時。

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行動の多動や、外から見える衝動性があまりなく、勉強も困らない程度にできていたため発覚が遅れました。

大人になってうつ病(後に双極性障害と判明)を長患いするまで、発達障害がわからなかったんです。

SNS上で見ていると、私と同じように成人してから発達障害が判明した方は少なくないようです。

発覚してから「大人の発達障害」に関する本を読むようになりました。

その中の本に「ADHDコンプレックス」「隠れたADHD脳」など気になる表現を発見。

ADHDの発覚が遅れるケースは以下の通り。

  • 併存する病気がある場合(ADHDコンプレックス)
  • 脳の強みが弱みをカバーしている場合(隠れたADHD脳)

上のケースの場合、典型的なADHDではないけれど、「忘れ物が多い」「仕事のミスが目立つ」「先延ばし癖がある」など部分的にADHDの症状があてはまるそうです。

「多動はないけど、締め切りが守るのが苦手なんだよな~」

「片付けはできるけど、気分屋のところがあるなぁ~」

あなたはいかがでしょうか?当てはまりませんか?

今回はそんな部分的なADHDを持っている人に起こりやすい悩みを解決してしてくれる本を紹介します。

『「忘れっぽい」「すぐ怒る」「他人の影響をうけやすい」etc. ADHDコンプレックスのための“脳番地トレーニング”』です。

『ADHDコンプレックスのための“脳番地トレーニング』をオススメしたい人は?

  • 大人になってからADHDの診断を受けた人
  • ADHDグレーゾーン
  • 発達障害の診断は受けていないが、長年メンタルヘルスに悩んでいる人
  • 部分部分でADHDの症状に当てはまる人

典型的なADHDではないけど、所々にADHDの症状が現れている人にオススメしたい本です。

長年メンタルヘルスに悩んでいる人も、「ADHDコンプレックス」「隠れたADHD脳」である可能性があります。

発達障害に見えないADHDとは?

 

あなたは「ADHDの人」にどんなイメージを持っていますか?

忘れ物が多い、落ち着きがない、失敗が多いなどのイメージを持っている方は多いと思います。

しかし、『ADHDコンプレックスのための“脳番地トレーニング”』では、併存する病気の症状(ASDや鬱病など)が表に出ていたり、脳の強みが弱みをカバーしていたりするとADHDの症状が隠れてしまい、発見が遅れることがあることを示唆しています。

典型的なADHDではない「ADHDコンプレックス」や「隠れたADHD脳」であると、適切な治療が遅れてしまい、生きづらさをなかなか解消できないケースが見られます。

「隠れたADHD脳」チェックリスト

 

『ADHDコンプレックスのための“脳番地トレーニング”』の中に「ADHDコンプレックス」や「隠れたADHD脳」をチェックする12の質問がありました。

その中から8つ紹介していきます。

  1. 気持ちは落ち着いているが、すぐ行動できない、締め切りに遅れる
  2. 勉学はよくできるが、対人関係が苦手、言いたいことがうまく言えない
  3. 意志が強く目的を持っているが、忘れ物やうっかりミスが多い
  4. 整理整頓はできるが、気分屋でわがままが目立つ
  5. 運動は得意だが、座学に弱い、授業に集中できない
  6. 人の話はしっかり聞けるが、片づけられない
  7. 気配りはできるが、自信がない、将来の目標がない
  8. 社交的だが、マルチタスクができない

加藤俊徳著『「忘れっぽい」「すぐ怒る」「他人の影響をうけやすい」etc. ADHDコンプレックスのための“脳番地トレーニング”』より

 1つでも当てはまる人は「隠れたADHD脳」を持っている可能性があるそうです。

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私は2と6が当てはまるかな。

あなたはいかがだったでしょうか?

脳の脳力を伸ばす「脳番地トレーニング」

 

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ADHD脳を持っている場合、どのように対処していけばいいのでしょうか?

著者の加藤俊徳さんは自分の脳について知り、「脳番地トレーニング」をすることが大切であると述べています。

脳番地とは?

 

「脳番地」とは、脳を機能別に8つに分けたもののこと。

感情や社会性に関係する「感情系脳番地」や思考や判断に関係する「思考系脳番地」などがあります。

よく使われていて発達している脳番地は強みに、あまり使われず未熟な脳番地は弱みになります。

ADHD脳の場合はこの強みと弱みが極端に違うことが多く、周りの人に理解されずに苦しむことも。

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知能検査WAIS-IVで分かる能力の凸凹も脳番地の強みと弱みの表れと言えそう。

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自分はどの脳番地が強いのか、もしくは弱いのかを知ってトレーニングをすることで生きづらさを減らせたり、強みを発揮できたりするようになっていきます。

脳番地の強み・弱みを知る

 

先ほどの「隠れたADHD脳」を調べるチェックリストを元に、自分の脳番地の強み・弱みを知ることができます。

全部は載せることはできないので、7の「気配りはできるが、自信がない、将来の目標がない」タイプについて紹介していきますね。

人の動きを見て、気配りができる「視覚系脳番地」が強みである一方で、「感情系脳番地」「思考系脳番地」が弱く、自分のことがわからず将来の目標がなかなか持てないタイプです。

自分軸で考えることが苦手で、周りの人や環境に振り回されやすい特徴があります。

適切な脳番地トレーニングを積んでいくことで、次第に自分のことが理解できるようになっていきます。

↓「メンタル・クエスト」でも自分を理解することの大切さに触れられていました。

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マイナス思考が止められない時は?

 

ADHDさんの脳は基本ポジティブに出来ていて、ネガティブ思考とは無縁であると述べています。

しかし、失敗を重ねることで不安感が強くなり、うつ傾向が表れていきます。

そうなるとADHDの「考え出すと止まらない」という脳の性質によって、マイナス思考が止められなくなってしまう訳ですね。

感情系脳番地が弱いどころか、しっかり発達していることで、いろいろ想像してしまい不安が駆り立たれてしまうのです。

また、思考系脳番地も一緒に働きすぎてしまい、過剰な想像と止まらない思考を止めることが必要になってきます。

この問題に関し、以下の方法を著者は紹介しています。

  • 不安なことを紙に書いて解消法を考える
  • 好きな音楽に合わせて体を動かす

不安をアウトプットすることで客観的に見れるようになりますし、考え続けてしまう負のループから抜け出すことができます。

そうすることで感情系脳番地の働きをゆるめることが出来るわけです。

また、音楽に乗せて体を動かすことで、聴覚的脳番地や運動的脳番地が刺激されます。

そうすると感情系脳番地や思考系脳番地の働きをストップできるようになります。

これらを行うことで、脳の中で不安がグルグルするのを抑えることができますよ。

読んだ私の感想

 

まさに「ADHDコンプレックス」「隠れたADHD脳」である私にピッタリの本だと思い読み進めました。

脳科学の分野から、ADHDの悩み事に対し具体的なトレーニングを紹介してくれています。

どれも難しい方法ではなく、ちょっと試してみるかと思えるようなトレーニングだったのが好印象でした。

また、弱みを軽くすることは大事だけど、出来ないことは人に頼ることも大事と書かれていたのが自分には突き刺さりました。

 自分の脳との付き合い方を学んで、生きづらさを解消していきたいと思います。

まとめ

  • 『ADHDコンプレックスのための“脳番地トレーニング』は悩みを解消するためのヒントが詰まっている
  • 典型的なADHDではないけど、所々で当てはまる人は「ADHDコンプレックス」「隠れたADHD脳」の可能性がある
  • 自分の脳番地の強みや弱みを知ってトレーニングをすることで、生きづらさを減らせたり強みを発揮できるようになる。
  • マイナス思考から抜け出すためには好きな音楽に合わせて体を動かすとよい

今回は『「忘れっぽい」「すぐ怒る」「他人の影響をうけやすい」etc. ADHDコンプレックスのための“脳番地トレーニング”』について紹介していきました。

自分の脳を知って、穏やかに日々を過ごすために「脳番地トレーニング」に取り組んでみてはいかがでしょうか?

この記事があなたのお役に立てれば幸いです。